Jazzanova interview
ソウライヴ(Soulive)インタビュー
ソウライヴ(Soulive)インタビュー
[Interview & Text by jun ide
Supported by Yamakawa@Columbia Records


Foundation development
●それぞれメンバーはNY、フロリダ、ボストン出身ですが、少年時代に受けた音楽的影響について教えてください。

Alan Evans:もともと俺たち兄弟は幼い頃、父親の影響でドラムを叩いていたんだけど、 自分が8才になるころにはピアノに興味を持ち弾く様になった。当時本当に沢山の音楽に囲まれて育った。 当時と今とでは比較できないが、本当に沢山の良い音楽がラジオから流れていた。 いまでも覚えているのは、プリンスをラジオで良く聴いていて、すごく影響を受けたと思う。 それから19才になる頃にオルガンを弾くようになっていった。 我々の音楽ルーツのなかには、プリンス、アフリカバンバータから、すごく影響を受けたと思う。80年代 当時はシンセサイザーが多く取り入れられていた時期でもあったが、本当に沢山の良い音楽がラジオから聴けたんだ。

Neal Evans:俺達の父親がジャズ、クラッシック、オペラなど本当に色々なタイプの音楽を聴かせてくれたんだ。ひとつ覚えているのは、俺達を座らせて沢山のジャズレコードを聴かせてくれながら、誰がピアノ弾いていて、誰がベースを弾き、誰がトランペットを吹き、誰がドラムを叩いているかなど、基本的な音楽の聴き方、そしてその音楽の中で何が起っているのかを教えてくれたんだ。 それぞれのプレイヤーが、どのパートをグループの中で弾いていて、音楽としてどう上手く成り立たち、音楽を創造しているかなど、我々の個人的な経験として聴くことによって、そこから学び、我々が今どういうアプローチで作曲すれば良いかを考えるようになった。 そしてソウライブとして、どういう形でプレイするかに影響を与えていると思う。

Toussaint :俺は小さい頃から教会で歌って育って来た。俺の親父は牧師で、 母はいつも歌を歌っていた。我々は良く旅で俺と妹と弟で歌っていると、 母が色々と教えてくれた。そういう風にして3才くらいから歌っているんだ。

Eric Krasno : 俺も音楽に囲まれて育って来たんだ。自分の両親は良くブラジリアン・ ミュージックを聴たり、ローリング・ストーンズをはじめとする、クラッシックロックンロールや スティーヴィ−・ワンダーを中心としたソウルミュージックを良く聴いていた。 その頃には良くジャムセッションにも行っていた。 なぜなら自分の父親が色々な楽器を弾いたから。 叔父さんもベースを弾き、自分の兄はギターを弾いていた。俺が幼い頃は良く家の中で ジャムセッションをやっていて、俺はいつもその雰囲気の中で、フィーリングを共有 していたんだ。いつも本当に楽しかったけど、当時はまだ楽器が弾けなかったから、 何か物足りなさを感じていた。そしていつも自分の心の中では、何か楽器をやりたいと思っていた。 13才くらいの時だったと思うけど、ある日ベースを手にとって弾き始めたのが始まりだった。 レッド・ツエッペリンの曲をベースで弾き始め、最終的にはジミー・ヘンドリクスの曲を ギターで弾けるようになっていった。その後は色々なタイプの音楽に興味を持つ様になって行き、 ウエス・モンゴメリー、ハービー・ハンコック、レゲエなど、音楽の幅を拡げていったんだ。







左から
Alan Evans アラン エヴァンス (drummer)
Eric Krasno エリック・クラズノー(g)
Neal Evans ニール エヴァンス (organist)
Toussaint ポール“トゥーサン”
バレット(V)


●当時、一番大好きだったアーティストについて教えてください。

Alan:一番最初に買ったレコードは、ジャクソン・ファイブの 『ゴーイングバック・トウ・インディアナ』だった。ジャクソン・ファイブ の中で一番最高のアルバムだと思うよ。 今では、このヴァイナルを見つけるのは本当に大変なんだ。 オリジナルのアートワークではないけど,CD盤2枚組として再リリースしているはずだよ。 オリジナルAサイドは、ビルコスビーによる紹介が入っていて、 Bサイドは、ジャクソン・ファイブのライブが収録されていたんだ。 それはファンキエストで、今までに聴いた事のないようなライブだった。

Eric:少年の頃すごくマイケル・ジャクソンのスリラーが 流行っていて、いつも自分のバックパックの中にレコードを持ち歩いていて、 レコードプレイヤーがあれば、いつでもそのレコードを取り出して、 皆で聴いていたんだ。
Alan:そういえば一番最初に自分が父親から貰ったアルバムは、 78年頃リリースされた、マイケル・ジャクソンの『オフ・ザ・ウオール』 だった。あのアルバムに入っている詞はすべて覚えたよ。

Early stage development
●1999年にニ−ル、アラン、エリックの3人でソウライブを結成しましたが、当時どんな風にしてスタートしたんですか?

Alan:我々はたまたま一緒にプレイするようになったんだ。 バンドの中心にオルガンがあり、自分の持っていた楽器であったし、 キーでベースを弾いていたから、それが特色となって我々の事 が知られるようになっていった。 その当時、もしオルガン以外の楽器で何か自分が興味の惹くような ものがあったとしても、きっとやらなかっただろうな(笑)

Eric:3人がこのバンドを始めたキッカケは、アランから連絡を貰って、 家でちょっとジャムってレコーディングでもしようって、誘われたのが始まりだった。 最初の日に3人で集まって、いくつかチューンがあったんだけど、 特に我々は議論して、これからどんなタイプのレコードを作って行くとか、 決めないでスタートしたんだ。我々はプレイする中で、その日の内に自然に ”Get down”が出来た。それ以来、その曲を色々なギグでプレイする ようになって行き、最終的にこの作品がリリースされる事になった。 一番最初に一緒にプレイして、そのまま作品を作ってしまったんだ。 そういう風にして我々は音楽を共に作るようになり、そのやり方は いまでも変わらない。我々は大きな契約をして、計画を作って活動する スタンスではなく、我々にとって確かなフィーリングのものを純粋に 作り続けて行きたいというだけなんだ。

Mid stage development
●結成間もなくして、1stアルバム"TURN IT OUT"をリリースしましたが、コンセプトについて教えてください。

Eric: この作品のコンセプトは、ライブでやっていることをキャプチャーし、 そのままCDへ収録する事だった。 Alan: 我々は数カ月間共に演奏活動してゆくなかで、たまたまVelour という 新しいレーベルを設立するタイミングと重なって、お互いの成長を助け合う形で、 このプロジェクトをやったんだ。我々がバンドとして成長できるよう に、色々とサポートしてくれた。 それから1年も経たないうちに、ブルーノートが我々にアプローチしてきたんだ。

 
 
 


●2000年には、名門ブルーノートと契約して2ndアルバム"DOIN'SOMETHING"をリリースしましたが、どんな風にして契約が実現したんですか?

ニールが言った様に、我々は"Turn it out"のレコードを作った頃、冗談まじりに そのうちにブルーノートと契約するようになるかもしれないと話していたら、その後 2、3ヶ月して実際にブルーノートが契約したいとアプローチしてきたんだ。実際 契約に至るまでにかなりの長い時間をかけなければならなかった。 なぜならVerve Recordsとブルーノートの両社が我々と 契約しようと躍起になっており、バトルが繰り広げられていたからなんだ。 我々は、NYでウイークリーギグをやっていて、色々な人々が、我々の演奏を見て、 良い噂が広まって行ったんだ。それをキッカケに色んな人々が我々の演奏を見にくる様に なっていった。その当時Verve Recordsとブルーノート両社のA&Rが、毎回我々に 会いに来たりして、最終日にも2社がやってきて、我々は同じ場所で双方と話さなければならなかった。我々はNYで本当に沢山のショーを演奏して来ていたから、そうやって良い評判を作り出して行ったんだ。 我々が良くプレイしていた場所は、East sideにあった"Easy Bar"、"Baby Jupiter", "wet land"とか、3つとももう潰れてしまったけどね・・・ その中でも特に"wetland"では盛り上がっていて、そこで確固たる評判を築いていたと思う。 最終日にはチケットが完売する程だった。
Neal : その当時を振り返ってみると、Verve自体には、特に我々がやっているような ジャンルの扱いはあまりなかったと思う。彼らは単にジャムバンドという括りの中で、 便乗したかっただけだったんじゃないかな。

 
 
 

RECENT WORKS
最新作"No place like soul"では、新しくボーカルのToussaintをメンバーとして迎えてますが、
その意図について教えてください。


Eric:もともとToussaintとは、4〜5年くらい前に出会って、当時自分がプロデュースしていたToussaintのプロジェクトを一緒にやっていたのが、はじまりだった。 当時からずっと彼の歌声が大好きだったから、ボーカルベースのマテリアルを作っていた。 その頃からソウライブの新しいアルバムには、全体的にボーカルを取り入れる必要があると 思っていた。当時ボーカルを探していて、たまたまToussaintに声をかけ、 一緒にツアーをまわって何が起るか試してみようと誘い、 Toussaintをバンド新メンバーのひとりとして迎え入れたんだ。 すぐに新しいチューンを作曲したら、本当に良い感じでToussaintが我々のバンドに フィットしたんだ。その後すぐにスタジオを押さえプロデューサーには、 Stewart Lermanを迎えて2〜3ヶ月かけてレコーディングした。 アルバムが仕上がった時に、我々はStaxがコンコードの傘下になって、 リロンチするタイミングという事を知ったんだ。 Staxから新作をリリースする事は、本当にパーフェクトなタイミングだったよ。

●今作を創るにあたって一番苦労した事は何ですか?

Alan:全体的なレコーディングプロセスは我々にとってシンプルなものだったけど、 いくつかアルバムに収録出来なかったチューンもあったのが辛かった。 我々は本当に長い時間スタジオに隠ってレコーディングをしていて、 色々なチューンを作り完成したにも関わらず収録出来ずに残念だった。 本当はダブルCDとして、リリースしてみたかったが実現しなかったことが、 一番辛い事だったと思う。
Toussaint:そういうところも、ある意味音楽を作り出す上で、 最も美しいところでもあったりすると思う。 レコードを作るにあたって、本当に沢山の努力とエネルギーを費やさないと いけなくて、時には1〜5年くらい1作品に時間をかけないといけない事もある。 今作に関して、はじまりから完成まで30曲を3ヶ月かけて創ったんだけど、 結果的に13曲くらいに絞り込まなければいけなかった。 本当に良い経験をしたと思うよ。

●曲を創るにあたって、どんなクリエイティブプロセスで出来上がるんでしょうか?

Toussaint:今作では俺が作詞していて、表面的な事だけでは無く、 いつも詞の中に意味を持たせるようにしているんだ。 時折自分は孤立しているような気持ちになったりする事もあったけど、 幸いな事に、今はソウライヴと一緒に活動できるようになり、我々は 何か良いフィーリングをファンに届ける事が出来る。 ソウライヴに参加する前は、レゲエシンガーとしてソロで活動して来ていて、 ボストン界隈のほとんどのレゲエバーでプレイしていた。 ソウライヴ達と一緒にプレイ出来ることを、本当に神に感謝している。 自分の音楽をブランチアウトできて、それに以前からソウルミュージックが 大好きだったから、色々な経験を通して自分自身を表現できるようになった と思う。

●自分が創る音楽においては、何が一番大切ですか?

Toussaint:自分の音楽の中で最も重要な事はその中にメッセージがある事と、 人々の気持ちを高揚させることも重要な事だと思う。 世界に目を向けてみると、良くわかる事だと思う。 もし音楽を通して、人々に高揚感をあたえられなければ意味がないと思うよ。

 
 
 



●How does music make U feel?

Neal:音楽を聴く時はライブであろうと家であろうと、スタジオであろうと どこに居ても同じような気持ちにさせる。もしその音楽が良ければ同じ感覚になるから、 何も違いはない。俺は音楽をプレイする事によってハイな気分になれるから、 プレイし続けているんだ。スタジオでも、ライブでも同じようにラッシュを感じるよ。

Toussaint:この間カレッジでギグをやった時に、可笑しかった事があった。 我々が思いっきりプレイした後、ステージを降りて 我々もホールの客と同じように、音楽を聴きながら高揚感を 味わう事もあるんだけども、バックステージに来ていた カレッジの女の子達は、我々と一緒に 音楽を聴いているうちに、すごく熱狂的に興奮していたのをみて、 ちょっと恐いくらいだったよ(笑)我々は音楽と共に生きているんだ。 時折、我々はスタジオで聴いていようが、ライブでやっていようが 本当に熱狂的に音楽を聴くこともあるんだ。

Eric:俺の場合は、色々なタイプの音楽によって、それぞれ違う気持ちになるんだ。 自分の気分次第でもあるんだけど、音楽は自分の気持ちを変化させるものでもある。 もし朝起きた時に気分が優れない時は、ボブ・マーレーをかけたりすると、 自分の一日が良い感じに変化する時もある。もし自分がリラックスしたい時には、 マイルス・デイビスをかけたりする。日常の中で音楽は、自分を色んな場所へ 連れて行ってくれるから音楽が大好きなんだ。色々な音楽によって、 感情的なものを呼び起こしてくれるんだ。

Alan:自分の心の中にある感情を詞を書いたり音楽を聴いたり、パフォーマンスしたり、 何か聴いた時にその中に何らかのコネクションをつくりだし、自分が正しいパスにいる事を 確認できるんだ。それはパイロットのような感覚だと思う。時折観客との間に 自分達のパフォーマンスを通して、良い関係が出来なかったりするのも、感覚的に わかるんだ。我々はプロフェッショナルだから、そういう事も乗り越えてゆく。 そしてある晩には、すべてが合致したような感覚になる時もある。 昔自分が若いころ、よく聴いた特定のアルバムの曲を思い起こさせたり、 スタジオでの経験だったり、何かが合致したような感覚になったりする。 そういった感覚は、言葉では表現できないような事で、 自分の中では、感覚的にそこにある事を理解しているんだ。

●日本のファンの皆様にメッセージをどうぞ!

我々の新しいアルバム No Place Like a Soulをチェックしてくれ! すごく大切なんだよ!
我々は、皆にこの作品を聴いてもらって、良い気分になってもらいたいんだ。 巷には本当に沢山の音楽が出ているけど、表面的なことが多く、 ビデオなどを通してメッセージを出し、それっぽく良いように見せているけど、 我々の音楽は奥深いところでポジティブな感覚を呼び起こさせるような ものなんだ。我々は出来る限りそういうポジティブなメッセージを伝えて行きたいんだ。 ファンの皆さん、我々をサポートしてくれてどうもありがとう! 我々はいつでも、日本に戻って来てライブをやりたいんだ。

 
 
 


●SOULIVE(ソウライヴ) プロフィール

1999年、NYにて結成。アランとニールのエヴァンス兄弟(org, dr)とエリック・クラズノー(g)から成る。 NYジャム・バンド・シーンで注目を集めシーンより急浮上。 2001年、UNIVERSALとEMIの激しい争奪戦の末、EMI/Blue Noteレーベルよりメジャー・デビュー。 ジャズ、ソウル、ファンク、ヒップ・ホップなど様々な音楽要素を斬新な感性で融合した、クールでファンキーなサウンドで世界的に大ブレイク!ノラ・ジョーンズとともに21世紀の新しいBlue Noteレーベルの象徴的存在として一気にスターダムへ。 その後、アポロ劇場で単独公演を成功させ、2002年ローリング・ストーンズの全米ツアーでは前座を務め大きな話題に。 「Soul」と「Live」を結びつけた名の通り、その圧倒的な質の高いライブには世界的に定評がある。日本デビュー直前の2001年、NHKの海外音楽特集において、ポップスでSTING、R&BでMary J・Blige、そして新世代ジャズでSouliveがそれぞれフィーチャーされ全国放送(地上波&BS)国内でも一挙に注目を集め新人ながら日本における知名度もスタートからメジャー級。




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