Sleep Walker インタビュー

スリープ・ウオーカー インタビュー
[Interview & Text by jun ide
[取材協力:Matamura@Village Again, Yuko Ichikawa@Yellow]

●いま、SleepWalkerは、日本をはじめ世界中のクラブジャズ界で最高峰の実力派バンドとして幅広いファンに認知されているかと思いますが、そもそもSleepWalkerの結成の経緯について教えてください。

今日はまだ来ていないんですが、もともとは吉澤はじめというキーボーディストと僕とKyoto Jazz Massive DJである沖野修也君と、黒羽 康司というプログラマー兼ギターリスト達と”COSMIC VILLAGE ”というバンドをやっていたんですね。いまは沖野修也君が一人でやっているんですけど、そこにいる時に『もう少し生バンドをやればどう?!』っていう 沖野君の提案で、僕と吉澤がピアノとサックスというので離れて、そこに藤井伸昭が、 ちょうどアメリカから帰って来て、バンドに入ってくれて、それからベーシストが二人 くらい変わったんですけど、池田潔が入って、今に至るんです・・・


右からリーダー中村雅人(SAX)、
藤井伸昭(DRUMS)、池田潔(BASS)


●3年振りのニュー・アルバム最新作『THE VOYAGE』について
NIKONのCMに「AI NO TABI」出てますよね?
『THE VOYAGE』のコンセプト、テーマとは?


中村:VOYAGEは、ファーストが、「愛の河」「AI NO TABI」とあって、ファラオと「VOYAGE」をやっていたので、まあ旅とか、そういうイメージで、こう色んな所 に立ち寄っていったという、コンセプトというか・・・ まあ、僕達の世界一周旅行みたいな感じです。 いつも創ってから、コンセプトを決めるんだもんね?!コンセプトがある アルバムじゃないんですよ。出来たものを、みんなで悩んで悩んで、 今回はVillage Againの又村さんにも来て頂いて、う〜んこれはなんだろうと 悩んでですね、で、じゃあこれで行こうという事に決ったので(笑)

●前作と比較して、曲作りやサウンドにどのような変化がありましたか?

中村:どんな違いやった?
池田:結構、吉澤氏のいわゆるスタジオで録ってるもんで、 スキル的な所の向上は感じられますね。前作よりも今作の方が 音創りに関してもそうですし、全部良い方向に進んでいます。

●「INTO THE SUN」では、ベンベがフィーチャ−されてますが、 レコーディングはどんな感じで行われたんでしょうか?

中村:立川の吉澤はじめのスタジオに、ベンベが来てくれて、まあ ライブももうなんべんもやってるしな。1発で取った後に ベンベが声を被せて、いつも通り自然体で和気あいあいというか、 ベンベのパワーに押されない様に、頑張って録った感じですね。

 
 
 


●「AFLOAT」では、ユキミがフィーチャ−されてますが、レコーディングはどんな感じで行われたんでしょうか?

中村:それはROOMという所で、一度セッションをしたんですよ。 そういうキッカケもあって、もしOKならば、 女性ボーカルを 入れませんか?ユキミナガノなんかどうですか? という提案がレコード会社の方からあって、 僕らやった事ありますよって言って、アイディアを又村さんに出して頂いて、 僕らも、じゃあそうしましょうっていう事になって、段取りはしてくれたんで、 実現出来たんですよ。でもギリギリだったんですよ。 来て録って、メタモルフォーゼ参加して、帰ったみたいな(笑) 本当にギリギリのスケジュールをやりながら、やって頂いたんで、 いいアルバムになったかと思うんですけど。

●曲作りをしてゆくなかで、一番最初のインスピレーションを
どうやって具現化してゆくのでしょうか? 


中村:まあ、前回の「愛の河」自体もそうだったんですけど、 僕らに曲が無いという事で、吉澤君が創ってくれて、前回も いろいろ話し合って、いくつか創った曲が何曲かあったんですけど、 今回は、ほとんど吉澤君がある程度まで創ってます。 それで、彼の希望で今回は一人で完結したいっていう意志があったので、 出来上がったものを、僕達が演奏しながら拾い合わせするんですけれども、 ここをこう変えよう、ああ変えようというのはやめて欲しいという風な 希望があったので、殆どが彼のオリジナルです。それに僕達が演奏をしながら、 いろんな個性を出しているんです。基本的に彼の作曲です。


●今作でのレコーディングで、最もチャレンジしたパートはありますか?

中村:苦労なんかいっぱいしたよね!?(笑)
のぶちゃんが一番苦労したかもしれないね。

藤井:そうかもしれない(笑)

中村:やっぱり吉澤君は打ち込みのソロアルバムも出しているし、 JazzMassiveの打ち込みもやっているし、Cosmic Villageから やっていたので、すごいアイディアが出た時に、人間業じゃあない 打ち込みをする事があるんですよ。それは、今のクラブ業界すべてそうですよね。 DJが創る音楽ってドラムを叩ける人は、あんまりいないと思うんで、 このドラムがOKとなったら、人間業じゃできなくてもいい訳ですよ。 音が出ていれば。で、吉澤君はある程度分かってやるんですけど、 チャレンジをするんですよ。まあ、その犠牲というか、その報労者が ここの藤井伸昭で、まああの手と足がアララらっとなりながらも、 こう、頑張ってやったな(笑)

藤井:本当にジャズとか、今までに僕が経験してきた打ち込みとか、 そういうのを生で、こう色々とセッションやったりとか、 4HeroのDegoとかとも一緒にやったことあるし、リズムを吸収した上で、 僕なりのジャズとクラブのビートっていうのと、上手くこう混ぜ合わせて、 なんていうか、ダンスのビートっていうのを創りあげ、曲として成立させる のは結構苦労しました。

中村:4HeroのDegoっていうのと、Kaidi Tatham (カイディ・テイタム) ていうのが、2000 Blackっていうのをやっていて、オランダのアムステルダムで、 SleepWalkerがライブをやった時に、我々のと違うデカイステージで、彼らが やっていたんですよ、空港で会ったのか?待っててくれたのか、 友達みたいにしゃべりに来てくれて・・何か伸ちゃんとしゃべってるんですよ、 で、どうしたん?って聞くと、『パーカッション叩いてくれって言われた』 で、本番の前にパッとみたら、2000 Blackのパーカッションを伸ちゃんが 叩いてるんですよ(笑)そんなイージーなんかこの人らは?って思いました(笑) 空港で、叩いてよって言われて、OK!みたいな(笑) 音楽に対する考え方が、彼らは僕らをOKと思っててくれてるんで、 吉澤はじめも、彼らと他でやった事もあるし、すごい自然なんですよね。 ちょっと一杯飲もうかみたいな感じて、音楽を一緒にやってしまえるみたいな。



●今作で一番思い入れの強いトラックについて。聴きどころは?

中村:愛シリーズの「AI NO TABI」があって、まあ色々あって 「VOYAGE」っていう流れの中に、ベンベとユキミ・ナガノが ちょろっと、港の美しい女性と力強い女性という感じで聴いてもらうと、 いろんな所に行っているようなイメージになると・・それぞれが 自分の精神状態とか季節とか、楽しい事、悲しい事があった日で、 好きな曲がどんどん変わってゆくようなアルバムになればいいと 思います。


●1999年1月BLUENOTE60周年記念アルバム『blue』(東芝EMI)に参加、これがメジャー・デビュー作となりましたが、その経緯についてお聞かせ下さい。

中村:まあ、それもプロデュースを沖野修也君がしたので、クラブ系のいろんなアーティストを彼が選んでピックアップした中で、生バンドでやるのと・・・でも実はですね、 サンプリングを元にした曲を創って欲しいというブルーノートの依頼だったんですねあれは・・・ブルーノートの音源をサンプリングして、何かを創って欲しいという事だったんで、 まあ、ベースとドラムのノブちゃんが二人で、まずフリーで演奏したものに、吉澤はじめがキーボードを入れて、最後に僕がサックスを入れて、その上に打ち込みを乗せたという、 実は逆の方法で創ったんですよ(笑)

藤井:最初はベースとドラムの二人だけのセッションで、その上に乗せて行ったんです。 本当に逆打ち込みみたいな事をやりました(笑)

 
 
 


●2000年に12インチ「愛の河/ RESURRECTION」を沖野さんが運営する[ESPECIAL RECORDS] からリリースしましたが、その経緯についておきかせください。

中村:僕達の持ち曲が「愛の河」1曲しかなくて・・・ で、もう1曲「RESURRECTION」っていう曲を創って、 まあそれで2曲そろったんで、12インチ出しますかと、 沖野好弘の方から話しがあって、じゃあ出しましょうという 事になって、まあそれが結局、沖野好弘が"ESPECIAL RECORDS"を 創るキッカケになったという・・・『まあ、どこも出さへんやったら、 俺が出したる』みたいな(笑)やっぱり男気溢れるKyoto Jazz Massive の 兄弟愛がですね、僕達をリリースしてくれたという、そういう経緯です。


●その後、活動の幅を海外へと伸し、2001年にロンドン JAZZCAFEにて、 マッコイ・タイナー・トリオとの一週間公演を行いましたが、 その時のライブでの反応はどんな感じだったんでしょうか?

中村:そうですね、その時はですね、実はある事情で僕と吉澤の二人だけが、 SleepWalkerという事に少しなっていたんですが、まあそういう話しが来たんで、 急遽ベースの杉本トモカズとの佐野ヤスオというドラムスにお願いして、 ライブをやりに行ったんですけど、思った以上にですねアシッドジャズ時代 からの繋がりもありますし、モンドグロッソというバンド時代からの繋がりも ありますし、結構日本からロンドンに行っている日本の方が多くて、初めて のライブにしては、向こうのDJとかミュージシャンとか、ブランニューヘヴィーズ とか、そういう仲間、在英日本人の方とか結構来てくれて、1週間盛り上がりました。 そしてマッコイ・タイナーも素晴らしいピアノを弾いてくれて・・・ 平日は僕達が先にやって、金/土のクラブ営業の時は、彼らが前にやってくれて 、本当にいい経験をしたツアーでした。



●SleepWalkerとして2002年にリリースした、ファーストアルバム『SLEEP WALKER』のコンセプト、テーマについて教えてください。

中村:コンセプトは打ち込みを通過した上で、その打ち込みの持っている、 人を巻き込むようなエネルギーを、また生演奏にフィードバックさせていって、 緊張感のある演奏を続けて行きたいっていうのがあって始まったんです。 それと「愛の河」っていうのは、代表曲だったんで、そのファーストの中に もうひとつ「愛の海」っていうのも入ってますし、その時から、実は池田君が ファーストで3曲ベースを弾いてくれていて、あとヨーロッパツアーなんかにも いっしょに行ってくれたりしてるんですよ。

池田:今聴き直してもすごい面白い作品だと思うし、今回このレコーディング呼ばれた時に、 あの時のレコードをまた聴き直して、ファーストでは実際に面白い事をやってたんだという 確認をして、ぜひ参加したいなっていう気持ちがあった。

中村:コンセプトは、ギシギシっていう感じではなくて、ダレない音を出したいという 皆思って創りました。今も同じようにやってます。

 
 
 

●更に2003年にはJAZZ CAFEにてファラオ・サンダースとの4日間公演を行いましたが、 その時のライブでの反応はどんな感じだったんでしょうか?

中村:既に日本でレコーディングもしていたので、そのメンバーのベースが ラット・リ−ヴス 、ドラマ−がジョン・フランソワーズっていう白人のプレイヤーで、 ピアノが、ウイリアム・ヘンダーソン。で、まあ、向こうに行っても若手のドラムとベースは、もうライブ終わったら一緒にパブに行って飲みに行って、あーでもない、こーでもないという事をしゃべっていて、まあ藤井君は、ずっとNYにいたので、英語もしゃべれるしね。 でもファラオ・サンダ−スと、ウイリアム・ヘンダーソンは、もうおじいちゃん組は、 終わるとすぐに帰ってしまうという、そういう面白い感じやった。

藤井:ずっとホテルのロビーでベースとドラムの人たちと、皆でわいわいとやって、 おそくまで喋ったりして、面白かったです。

●ファラオ・サンダースをゲストに迎えたシングル「THE VOYAGE」を リリースしましたが、どんな経緯で実現したんでしょうか? レコーディングはどんな感じで行われたんでしょうか?

中村:ファラオとのロンドンでの共演に関しては、「THE VOYAGE」での
レコーディングで、手ごたえがあったからOKしてくれたんだと思います。

●同年のスロバキア-クロアチア-オーストリアの東欧3ヶ国ライブでも、KYOTO JAZZ MASSIVE、UNITEDFUTURE ORGANIZATION、その時のライブでの反応はどんな感じだったんでしょうか?

中村:この時のツアーは、伸ちゃんは行って無くて、池田氏がスロバキア〜クロアチア〜 オーストリアの3カ国は、ぜんぶ一緒に回ってくれたんです。大変やったな・・・

池田:すごいですね・・・やっぱり内紛があった後の、歴史的な建物がボロボロだったり するんで、それこそホテルの蛇口を捻ってもお湯がでないみたいな、それぐらい 逆に今復興している時期の若者達が集まるイベントで演奏したもんだから、もう それは反応がすごいですよ。もう狂気の沙汰じゃないですよ。(笑)

●SLEEPWALKERとは?

中村:皆それぞれが、自分のスタイルを持っている人が集まっているんで、 そうは変えようと思っても変えられない部分と、やっぱりこうお互いに合わすんでは ないんですけど、自分がこうでたら、相手がどうでるかっていう事を経験とか体験で、 知った上で、その上手い事ひっかかっている部分を見つけたんやと思う。 だから、それぞれがそれぞれのスタイルで音楽をやるんですけど、そのトータルが SLEEPWALKERになる。まあそのギリギリの部分があるので、ダレた演奏にはならないと 思う。

●皆さんにとってずばりジャズとは?

池田:人生だと思います。
藤井:僕は生き様ですね。ジャズは。
中村:それは、愛とはみたいなもんですよ。 言葉には成らないみたいな。


●How does music make U feel?

池田:それはいっしょだと思うんですよ、日々生活してても、 ジャズですね。 その日に朝おきて起った事を 夜の演奏でイメージしたり、それがまた、こう話しをする みたいな感じで演奏したり、やっぱその場所に行って、 その日の人達の雰囲気をみてインスパイアされる部分もあるし、 "everythings with Jazz"ですよ。


●ファンへメッセージをどうぞ

ライブにも是非足を運んでください!
これからもSleepWalkerを応援してください! よろしくお願いします!

[Interview & Text by jun ide
[取材協力:Matamura@Village Again, Yuko Ichikawa@Yellow]


スリープ・ウオーカー(SLEEPWALKER)  official site
 
中村雅人(SAX)、吉澤はじめ(PIANO)、池田潔(BASS)、藤井伸昭(DRUMS)からなる4人編成のJAZZ BAND。2000年に12インチ「愛の河/RESURRECTION」を沖野好洋が運営するESPECIAL RECORDSからリリース。海外のクラブ・シーンでは早くから話題となり、PATRICK FORGEやGILLES PETERSON、PHIL ASHERらがクラブやラジオでヘビー・プレイし、JOE CLAUSELLからBASSMENT JAXXまでがプレイ・リストにSLEEP WALKERの名を挙げて来た。2002年には1stアルバム『SLEEP WALKER』をKSR/ESPECIAL RECORDSからリリース。JAZZANOVA、ローラン・ガルニエ等からも絶賛され、音楽ジャンルを超えた支持を受けている。2001年にはロンドン JAZZCAFEにて、マッコイ・タイナー・トリオとの一週間公演を行い、2003年には同じくJAZZ CAFEにてファラオ・サンダースとの4日間公演を行った。同年のスロバキア-クロアチア-オーストリアの東欧3ヶ国ライブでも、KYOTO JAZZ MASSIVE、UNITEDFUTURE ORGANIZATION、CHARI CHARI、DJ MOOCHY等と共に合計2000人を動員し、メイン・アクトとして観客を熱狂させる。又、渋谷のクラブ、THE ROOMではYUKIMINAGANOやTWO BANKS OF FOUR、DA LATAと共演し、数々の素晴らしいエピソードを産み出して来た。2004年春には、ファラオ・サンダースをゲストに迎えたニュー・シングル「THE VOYAGE」、2005年春には、ESPECIAL RECORDS初のショーケースとなる『ESSENCE OF ESPECIAL』の先行シングル「RIVER OF LOVE」を発表。そして、この夏、遂に待望のセカンド・アルバム『THE VOYAGE』をリリース。ダンス・ミュージックとジャズの融合を実現し、世界規模で盛り上がるジャズ・バンド・ムーブメントの先がけにして中心的存在として時代を牽引し続けている。



メールアドレス *オプション
 ご感想をどうぞ feed back
ニックネーム/お名前  *オプション
ご感想をどうぞ
すごく面白かった(very interesting)

普通 (Good)
あまり面白くなかった(not interesting)

大ファン!(I'm a big fan!)
はじめて知った(This is my first time)
興味ない(Not interesting)



[Interview & Text by jun ide
[取材協力:Matamura@Village Again, Yuko Ichikawa@Yellow]

 

,ご注意:ビデオをご覧になるには、リアルビデオプレイヤーが必要ですので、無い場合には、上のフリーソフトをダウンロードしてください。こちらへ
全てのビデオ コンテンツは、ブロードバンド向けに配信しておりますので、500k以上の速度のADSL、或いは、ケーブル モデム アクセスが必要です。
全てのビデオ/写真 コンテンツは iMedia24.tv Japan,アーティスト所属事務所、レコード会社にコピーライトが帰属しますので、許可なく複製、及び内容
の改編は固く禁じます。


(C) 2002-2006 iMedia24.tv Japan


In order to view those video contents, must need to have RealMedia player 8.0 above, plus must have ADSL or Cable Modem access at 500k/sec above.
All contents are produced by iMedia24.tv Japan under permission by artists. These contents are only use for artist promotion purpose. Please do not reuse or edit
these video contents without permission. If you have any question, please contact with us. >>Contact