I.G Culture /a.k.a NSM exclusive interview 特別独占インタビュー

I.G Culture/a.k.a NSM exclusive interview
[supported by BASE,Tokyo, Interviewed&Text by jun ide]

Early development

INFLUENCE

●自身の音楽的バックグラウンド、ルーツ、そして
少年時代に影響を受けたアーティスト、ヒーローについて

すごく沢山のいいアーティストがいる中で、特定の誰が俺のヒーローだったかを 言う事はすごく難しいけど・・・それが俺のソウルインスピレーションだったかを・・・ でもそれぞれのシーンから違うジャンルのアーティストを言う事も出来るけど、、 例えばファンクなら、ジョージ・クリントン、ジェームス・ブラウン、 レゲエでは、デニス・ブラウン、アイロイ。フュージョンで言えば、ハービー・ハンコック、 ジョージ・デューク、アフロビートで言えば、明白にフェラ・クティ、エバニーズ・オベイなど、、 本当に沢山好きなアーティストがいるよ。そしてヒップホップを語るならば、 ピートロック、ジェイディー・・・。彼らには いつでもインスピレーションを受けるよ。

Mid stage development

●どんな風にして自身の音楽的方向性を見つけだして行ったんですか?


ただ単に自分自身でベストなものを作りたい一心だけだよ。 当初は、ラッパ−で行くか、DJとしてゆくか??俺自身どういう 方向性で行くか決めて無かったんだ。でも俺は音楽を創って行きたいと 思ったから、すぐにやってみる事にしたんだ。もし俺がビートを創りたいと 思ったら、すぐに創ったり、リリックを書いてみたり、音楽を創造する上では、 何も違いはないんだ。すごくクリエイティブだと思うよ。 俺のファンダメンタルにあるものとは、レゲエミュージックなんだ。 すごくインスパイアされたよ。俺の音楽的なルーツだ。 それからソウルミュージックに入り込み、エレクトロミューック、 ヒップホップと、色んなスタイルの音楽が出て来た。 そのレイヤー上には、アフロビートがあったり、フュージョン、ジャズだったり・・・


●IG Cultureの意味は?

いまから2、3年前に、いっしょに仕事をした事があるラッパーなんだけど、 ある日突然死んでしまったんだ。その彼がいつも言っていたんだけど、 I.Gとは、"Instant Graffix"の略で、俺が何かインスピレーションを受けるとき、 何も無い所から突然閃きがおこって、それをインスタントに音として表現するんだ。 俺自身この言葉がすごく好きで、クレジットとしてもレコードに入れたかったんだ。


●ウエストロンドン発ブロークンビーツ創世記について

俺がブロークンビーツに入り込んだ、ひとつのキッカケはというと、 1992年に、アイランドレコードという、メジャーレーベルから トラックをリリースした事がはじまりだった。俺は、ダッジシティ プロダクションズのメンバーとして活動していたんだけど、途中で事情があり、 お互い別々の方向へ別れて行ったんだ。彼らは、全然違うスタイルのフィールドへ 行った。当時、俺は、もうメージャーレーベルと仕事はしたくないと感じ、 独立してソロとして活動する事を決心したんだ。
そしてレーベルを設立して、アルバムを リリースし、その経緯で、マイク・スローカムとも出会った。その彼はゴーヤミュ−ジックの 創設者でもあるんだ。基本的に、俺の音楽を彼に聞かせたら、すごく気に入ってくれた。それから どんどんとプロダクションしていく中で、ニュー・セクター・ムーブメントへと繋がって行くわけなんだけど、、当時彼は、I.Gのミュージックを早くリリースしたいと切望したんだ。それから二人で 本格的にプロダクションに取り組み始めたんだ。それ以来、本当に色々の事がおこったんだ。 例えば、今では、マイクとは、パートナーとしてピープル・レコーズの中で仕事をし、 メインスクイーズレコードのマーレーとも仕事をしてるし、本当に良い感じで"Co-oP"をやっている。 基本的にブロークン・ビーツシーンが起ったのは、本当に偶然だったと思うよ。それは単にミュージックとの関わり合い方だけだったんだと思うよ。


●現在に至るまで、ウエストロンドン発のブレークビーツシーンをリードし、沢山のドープなトラックをI.G, NSM、Likwid Biskit等の名義を使い分け、リリースしてきた経緯について

それを語る上で自分はI.G Cultureとして、何年もクラブカルチャーシーンを 引っ張って来たと思う。ウエスト・ロンドンシーン以前に、別のウエスト・ロンドン シーンがあった。その中には、ブランニュー・ヘビィ、ジャミロクアイ、ヤングディサイプルズ・・・ 俺達は皆一緒にシーンを立ち上げて来たんだ。俺達は皆同じクラブに通っていたし、同じ ウエアハウスパーティ行ったり、そしてそこでインスパイアされた音楽を、自分らの 音楽に反映させていって、どんどんと質の高い音楽へと広がりを持たせていった。

●2001年にNSMとして、 Virginから "Download This"を
リリースしたキッカケについて


基本的に自分がやってきた事の全てが、ブロークンビーツのシーンという、コンテナの中に入ってる パートの一部だと思っている。ヴァ−ジンがNSMと新しい契約をサインしてくれた時に俺に 話した事は、NSMのシーンでの評判を聞いていて、NSMのアクトに対して、 サインする事を心待ちにしていたと。俺が思ったのは、NSMとしてヴァ−ジンと契約する事に なんら問題はないと思ったから、すぐにディールしたよ。我々にとってはすごくポテンシャルが 高く、ボーカリストもいたし、常にミュージックスタイルは変化していたし・・・。 基本的にNSM名義で本格的にアルバム制作活動を開始し、その中にはLikwid Biskitからの インフルエンスも反映させていった。ソウルやフュージョンが混ざったような、 エクレクティックなスタイルだよ。

●最近 自身のレーベルMain Squeezeから、 "Family Planning Vol1" をリリースした経緯

Main Squeezeは、自分のレーベルでもあって、いつでも自分の音楽を世の中に送りだしたい時に 出せるようにしている。それに沢山のアーティストのアルバムもリリースしてゆきたいとも思う。 コンピレーションアルバムを通して、様々な才能を持ったアーティストをひとつにまとめて 紹介する事ができる。例えばカエリーというアーティストにしろ、あまり一般的には知られていない アーティストとか、アレックス・アティアス、それにフォースワールドなどとも一緒に仕事をしたりとか、 アヤト、ベンベセグウエイ、エスカモトウングワズイといった、オールドスクールからのアーティストと ニューアーティスト達を、捻りを利かせたブロークンビーツを通して全てをミックスするんだ。

●前作から約3年ぶりにリリースした "Turn it up"ですが、フュージョン色の強かった前作とくらべて、よりソウルフルでヒップな仕上がりだったと思いますが、このアルバムのコンセプトについて教えてください。

"Turn it up"はなかなか良い仕上がりだと思う。 アルバム制作した時は、すごくエンジョイして作ったよ。 だけど色々とすごく大変だった。なぜなら個人的な事でもあるんだけど、 以前一緒にアルバムを制作した後、しばらく別々のディレクションに 進んで行った女性ボーカルとかにも、自分はこれから新しい次元のアルバムを 作るからと言って賛同してもらったり、、アルバムのサブジェクトでは、 男と女の関係について綴ってみたりして、詩的にも今までのアルバムとは 別の物に仕上げて行きたかった。このアルバムを通して、自分の個人的な フィーリングを大切にしたメッセージを伝えたかったんだ。 プロダクション的には、すごくフォーカスしたものになったと思う。 自分的には、フュージョンには当てはめたく無かった。どちらかというと 自分のルーツであるレゲエ、ヒップホップをベースにしたもの。 そして自分自身がプロデューサーとして、そしてアーティストとして、プロデュース出来るし。 今後自分が作り出すものに関して、フォーカスしたものにしてゆきたいと思っている。 今回のアルバム "Turn it up"をリスナーが聞いて、更にフォーカスしたものを 感じてほしい。


●今作ではいくつかリリックスを書いていますが、インスピレーションは、何から得たのでしょうか?

自分がこのアルバムの中でリリックを書いたのは、ヒートアップ、そして 共同で書いたのが、Digital Age 、Love, Speed, Movement 、She s Got Soul、 Soon Come など。今作ではすごく詞を書く事にインボルヴしたとおもう。 特にTrying Times なんかは、自分が思うアイディアを表現するために、 すごくストレートに入り込んだよ。 色々な音楽を聞いたり、クリエイトしている中で、時折その音楽の中にリリカルフローのようなものを 感じる時があるんだ。何も深く考えずに自然と沸き上がって来るような感じにね。 Love, Speed, Movement ,Love, Speed, Movement ♪って感じに、フレーズが浮かんできて、 パッと出来上がっちゃうんだ。何でもマインドの中で閃いたものを落とし込んで行くんだ。特に すごい才能を持ったアーティスト達と作業している時なんかもね、、シンガーで言えば、 マーシスコッフリ−。彼女はベンベセグウエイとかとすごく親密に仕事してる。自分も以前 一緒に仕事をした事がある。彼女はとても才能あるソウルシンガーでもあり、ジャズのインフルエンスも 持っている。すごく仕事がやり易いアーティストのひとりでもある。ハーモニカルにすばらしい 才能をもっている。

BEST WORK

●今まで創った作品で一番お気に入りのトラックについて聞かせてください。

今まで作ったトラックの中では、ピープルレコーズからリリースしたもので、 2作くらい特に気に入った作品がある。その中のひとつはsubstanceっていう トラック。それはかなり大きなプロダクションで、フィルムメイキングに通じるくらい のプロジェクトだった。でも低予算のプロジェクトで、基本的にはお金が無かったからね。 (笑) ストリングスを入れたり、そして自分のドラムプログラミングなんかは、レーザーのように 鋭く打ち込みが出来たんだ。今振り返ってあのトラックを聞いてみると、本当に自分が やったとは思えないくらい?!の仕上がりで、今では絶対に再現出来ないよ。(笑) 今思えばすごく楽しんであの曲を創っていたと思うよ。 後このアルバムでは、サン・ラのミックスをしたんだけど、space tributeは 最高な気持ちだったよ。なぜならば自分も遥か彼方のスペースにぶっ飛ぶ事が 出来たからね。それにスペースの映画を見ながら、だんだんとディープになってって、 何か湧き出て来るような感覚になっていった。

●それぞれの作品にあるメッセージをどんな風にリスナーへ伝えたいのでしょうか?

リスナーが俺の音楽を聞いた時に感じて欲しいのは、それぞれの人が持つガッツや substanceのようなものだよ。I.Gについて来いっていうんじゃなく、自分が オファーしている音楽の中から何かを感じとって、信じて欲しいだけなんだ。

PRODUCTION STYLE

●音楽制作についてですが、ローランドや、アカイのサンプラーなどを使って、 どんな風にして独自のグルーヴを創り出すんですしょうか?


サンプラーを単なるツールとして使う事だよ。君のために音楽を創り出してくれるんだ。 音楽を創る上で大切な事は、サンプラーやシーケンサーなんかに囚われないで、すべては 君の耳にかかっているんだ。君が吸収したものであり、君の個性でもある。そして時折 自分があるアーティストに対して、すごくハイレベルな曲に仕上げてゆく。その音楽を 君が聞いて、単にハイレベルなものだと理解するかもしれないけど、実際にその音楽の 奥深いとこに潜んでいる部分を聞き取れていないかもしれないんだ。 あるアーティストが創った音楽で、パッと聞いた感じでは、クオリティー的に、 あまり印象強さはないんだけれど、その中にディープでソウルフルなアーティストのテイストがあると 何かそこに感じるものがあると思うんだ。ベーシックのものでも、そのテイストはそのアーティストの 耳から吸収したものが、そこに反映されるんだ。基本はまず耳で音楽を聞く事だと思う。

● How does music make U feel,
in situation like playin Dj, creating a track, listening at own bed room ?


DJとしては、やっぱり自分が創った音楽をプレイする時が最高だよ。 家とかでは、例えばディーゴの音楽とかはあまり聞かないよ。なぜなら クラブ向けの音楽だからね。その時折のムードによって音楽を聞き分けるよ。



Thank you very much I.G!


I.G. Culture a.k.a NSM(New Sector Movements)

ウエスト・ロンドンの”ミスター・ディープ”こと、I.G. Culture。
メインユニットである、NSM (New Sector Movements)名義でもその名は知られる。
ハイクオリティーなアンダーグラウンド・ミュージックをリリースし続けるプロデューサーI.G. Cultureは、新たなるダンスビートを開拓し続けるウエスト・ロンドンの”最重要人物”といえよう。アフロ、ヒップホップ、ジャズ、フュージョン、エレクトロニカ、ファンク、ソウル、あらゆるブラックミュージックを取り込み、再構築し、本質に迫ったサウンドを吐き出す様は、まさに21世紀型ブラックネス!Dego, Marc Mac, Afronaught, Kaidi, Seiji, MdCL, Phil Asherら鬼才がひしめき合うウエスト・ロンドンのシーンにおいても、彼のオリジナリティ、クリエイティビィティは一歩抜きん出ている。

1998年、ウエスト・ロンドン・シーンの火種となった革命的レーベル<Main Squeeze>を立ち上げ、さらに同スタッフが運営するレーベル<People>にも参加。この最重要な2大レーベルから、 New Sector MovementsやLikwid Biskitといった名義で数々のジャンルレスなプロダクションをリリースし、クラブジャズ・シーンに新風を巻き起こす。彼が生み出した"My History"、"Soundorgy"、"Voonga Voonga"、"Brain Drops"などは、その後シーンが新たなビートを生み出すきっかけを作った”名作中の名作”といえる。 2001年、New Sector Movements名義でアルバム"Downroad This" <Virgin Records>、そして<Main Squeeze>初のコンピレ−ション・アルバム"Family Planning Vol.1"をリリースし、プロデューサー"I.G. Culture"の名を確固たるものにした。そして今年、NSM名義にて待望のセカンドアルバム"Turn It Up"をリリース。「賛否両論渦巻くであろう衝撃作」として、クロスオーバー・シーンにまた一石を投じた。その他、Gilles Petersonの"WORLDWIDE exclusives"に"The Show"が収録されるなど話題が尽きない。

DJとしては、今やロンドンのアンダーグラウンド・シーンの中でも最もコアなパーティとして認知されている"CO-OP" (@Plastic People)のレジデンツを中心に活動。その"CO-OP"では、Dego, Demus, Afronaughtらと共にエクスペリメンタル・サウンドを発信し続ける。
常にNEXTに向かってクリエイティブな活動をし続けるI.G. Culture。そのストイックで硬派な姿勢は、世界中に多くのコアなフォロアーを生み続けている。

[取材協力:BASE Kataoka,Tsuruoka、Interview&Text by jun ide]



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